禁煙したくてもできない!改めてタバコの害について学ぶ

禁煙を決意した動機を再確認禁煙の動機について

禁煙する気持ちをぐらつかせる悪魔のささやき

「この1箱を吸い終わったら禁煙をする!」と決心をして、禁煙生活に入って3時間、あなたに悪魔のささやきが聞こえてきます。

「明日からはきちんと禁煙しよう。だって、さっきまで吸っていたのだから禁煙第一日目ではないのだから。明日は買ってしまったタバコを捨てて、第一日目をきちんと始めよう!」

この悪魔のささやきは、あなたの禁煙を遅らせるささやきです。
きっと明日になれば、
「吸い始めてしまったこのたばこの残りを捨ててしまうのはもったいない。この人はこの一箱を吸ってからにしよう。」
と考えてしまいます。

気が付きましたか?堂々巡りですよね。禁煙を始める際に、どうしようもなく吸いたくなる気持ちを抑えながらも、頭の中はどんな言い訳をしてタバコを吸ってしまおうかと全エネルギーを使ってフルに活動し始めます。これは心理学的には「認知的不協和」といい「自分に不都合なことは、自分にとって都合のいい解釈を用いて自らの行動を正当化する」ことです。

このような感情が沸き上がるときは、まだ
「禁煙するための準備」
ができていない状態です。
このような状態で、禁煙外来の門をたたき薬の力を借りて禁煙しようと思ってもうまくいきません。なぜなら、タバコに未練があるからです。

禁煙する理由を明確にしよう!

あなたはなぜ禁煙をしようと思ったのですか?
「タバコの害によって、自分の健康が脅かされる」と考えているのであれば、タバコの害についてもう一度おさらいをしておきましょう。

1. タバコの危険物質は、200種類以上もある

タバコの煙には、4,000種類の化学物質が含まれています。その中には、何と200種類以上の有害物質が含まれ、発がん性物質は50種類以上にのぼります!
有害物質のなかでも、よく知られているのは、ニコチン、タール、一酸化炭素です。
そのほかにも、ペンキ除去剤に使われるアセトンや、アリの駆除剤に含まれているヒ素、車のバッテリーに使われているカドミウムなど、体に大変有害な物質がタバコの煙に含まれています。

2.タバコで余命が短くなる

タバコを吸うか吸わないかの違いで、余命が10年変わるといわれています。禁煙を始めるタイミングは、若いうちに始めたほうが余命を延ばせることがわかっていますが、中高年になってからでも決して遅いということはありません。血縁者に心筋梗塞や脳梗塞、ガンなどの病気になった方がいる場合は、健康のため早く禁煙をしたほうが余命を延ばすことにつながります。また、人生100年時代を迎え健康な時期を長くし子供への負担を軽減するためにも禁煙に取り組むことはとてもいいことだと思います。

<喫煙は次のようなさまざまな疾病の原因となります>
・息切れ
・喘息の悪化
・呼吸器感染症
・がん(喉頭、中咽頭、食道、気管、気管支、肺、急性骨髄性白血病、胃、膵臓、腎臓、尿管、結腸、頸部、膀胱)
・冠動脈性心疾患
・心臓発作
・脳卒中
・慢性閉塞性肺疾患
・骨粗しょう症
・失明
・白内障
・歯周炎
・大動脈瘤
・アテローム性末梢血管疾患
・股関節骨折
・不妊症*
・性的不全
* 妊婦や妊娠しようとしている人がたばこを使用すると、低出生体重児が生まれるリスクが高くなります。

3.受動喫煙の加害者にならないために

タバコは周囲の人の健康も奪います。昨今話題となっている受動喫煙は自分の周囲の人(家族や友人、職場の同僚)など、あなたの大切な人の健康も奪います。
自分の意思とは関係なくタバコの煙を吸い込んでしまう「受動喫煙」は、タバコを吸わない人を、がんや脳卒中、虚血性心疾患、呼吸器疾患などの危険にさらします。さらに、子どもにいたっては、胎児のときから健康被害を受けています。

また、「サードハンドスモーク」という言葉をご存知でしょうか?
サードハンドスモークとは、壁や人にタバコの煙成分がしみこみ、煙が消えた後でも有害物質を放出し続けることによって健康被害を受けることを言います。「残留受動喫煙」「三次喫煙」をも言われています。この「三次喫煙」は約45分間は消えないといわれています。

「換気扇の下でタバコを吸っているから大丈夫」「空気清浄機を使っているから大丈夫」思うかもしれませんが、この「三次喫煙」の例からしても、禁煙をして受動喫煙の加害者にならないようにしたいものです。

喫煙者は「ニコチン依存症」

さらにニコチンはヘロインと並んで強い依存性があり、喫煙者の多くは「ニコチン依存症」になっているといえます。禁煙者の1年間の持続禁煙率も低く、再喫煙をしてしまうという問題もあります。

禁煙を始めるために、また禁煙を持続するためにも、喫煙の問題点をしっかりと理解し禁煙の動機づけを頭の中で整理し理解することによって喫煙という「ニコチン依存症」を克服していきましょう。

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