禁煙外来に行ったら行われること
禁煙外来ではどのようなことを、どのようなスケジュールでするのか気になりますよね。
- 禁煙をする心の準備(覚悟を決める)をしていくのか?
- 初診のその日はタバコを吸ってはいけないのか?
- 禁煙をどのようなスケジュールで進めていくのか?
など。
禁煙外来に通おうと思っているあなたには、ある程度の覚悟があると思いますが、通院を始めるとお医者さんと看護師さんがワンチームになってサポートしてくれますので、気を楽に持って第一歩を踏み出せばいいと思います。
禁煙外来に始めていくときには特別な準備はいりません。最初の1週間は普通にタバコを吸ってもいいからです。(私の場合は、最後の1本を通院前に吸って「よし、これでやめるぞ!」と心に決めて行ってやや拍子抜けでした。)
また、最初の1週間は薬を通常の半分の量を飲み体に異常がないかを見極めることも検査しますので、本当にいつものままでいいのです。ただ、禁煙をする理由と決意だけは書き留めておいてください。
私の別記事の「禁煙を決断した理由」PDFをダウンロードして記入しておくと効果的です。
このシートは禁煙の自洗を始める前に必ず今の気持ちを書いておいたほうが良いです。
なぜなら、喫煙欲求が強く襲ってきた際に、どうしても喫煙する理由を頭の中で考えだしてしまうからです。
<参考>
禁煙をするにはまず「禁煙する理由」を書き出そう!
にある「禁煙を決断した理由」PDFをダウンロードして、記入をしておくと効果的です。
診察の前に、検査があります。問診表への記入と呼気中に一酸化炭素がどれぐらいあるのかの検査です。問診票は下記のとおりです。
TDSニコチン依存度テスト
設問内容 | はい 1点 | いいえ 0点 | |
---|---|---|---|
問1. | 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか? | ||
問2. | 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか? | ||
問3. | 禁煙や本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか? | ||
問4. | 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか? (イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加) | ||
問5. | 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか? | ||
問6. | 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか? | ||
問7. | タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか? | ||
問8. | タバコのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか? | ||
問9. | 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか? | ||
問10. | タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか? | ||
合計 |
※(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抗うつなどの症状が出現している状態。
呼気中の一酸化炭素量の計測
呼気中の一酸化炭素の量を図るのには専用の機械の測定部に紙パイプをくわえ一気に肺の中の息を吐き出すことで行います。
この検査で昨日から今日までの喫煙状況がわかるそうです。
禁煙を始めるとこの呼気中の一酸化炭素量が目に見えて減ってくるので、吸ったかどうかわかるそうです。
私の場合は直前まで吸っていたので非常に高い数値が出ました…。
「禁煙宣言書」への署名
それから「禁煙宣言書」へ署名をします。
これは禁煙への決意を自分の心の中だけでなく外にも公表することによって、やめざるを得ない状況を作り出すのにも効果があると思います。
禁煙外来でのスケジュール
禁煙外来では、3か月間通うことになります。
よく習慣をつけるのに21日間が必要だといわれますが、3か月間ワンチームでサポートしてもらえたのはとてもありがたかったです。再喫煙してしまうことの一つとして「お酒の席」というのがありますが、禁煙を始めると禁煙をしていない友人や仲間、同僚などから「一本どう?」と勧められることがあります。相手も酔った勢いですし、こちらも今まではお酒とたばこはセットだったこともあり、つい手を伸ばしてしまうことがあります。居酒屋や焼き肉屋は危険です。周りはタバコの煙などが充満していますし、「つい一本」の魔の手が忍び寄りやすいのです。
なるべく避けたほうが無難です。
私の場合は、コーヒーとタバコがセットでしたので、コーヒーを避け紅茶かそのほかの飲み物で代用をしていました。その時から炭酸水がお気に入りです。
<禁煙外来スケジュール>
(初診日から1週間はタバコを吸っていてもいいです)
禁煙補助薬の説明
飲み薬
初診からの1週間は1日1回食後に飲むことでで体を慣らし、飲み始めて8日目から禁煙をはじめ1日2回食後に飲むようにします。自然にタバコを吸いたくなくなったようなら、禁煙を始めてもいいようです。私の場合は「初診の時から禁煙する!」と覚悟を決めて臨みましたので、初日から禁煙です。薬の量が少ないせいか喫煙欲求が強かったので、家族にぐちぐち文句を言っていました。上記のスケジュールを知らなかったからです。だからこそこれから禁煙に挑戦をする方にはきちんと「禁煙外来」がどのようなスケジュールで行われるのか知ってほしいのです。
・私の処方してもらった飲み薬:チャンピックス
飲み薬の長所
- 飲むだけなので簡便
- ニコチンを含まない
- 肌の弱い人でも使える
※私の場合は薬局で売っているニコチネルパッチで肌がかぶれたことがあったので飲み薬にしてもらいました。 - 一定の要件を満たすと、健康保険が適用される。
※公的医療保険のことで、組合管掌健康保険、全国健康保険協会管掌健康保険、船員保険、各種共済組合管掌健康保険、国民健康保険等を指しています。
貼り薬
ニコチンを含んだ、皮膚に貼る薬です。一般的な薬局でもニコチネルパッチなどが販売されているのでイメージがわきやすいと思います。(薬局で売っているニコチンを含んだガムや貼り薬は健康保険の適用がありません。)
1日1回、上腕やお腹、背中などに貼ります。皮膚のかぶれを防ぐため、毎日貼る場所を変えるといいと思います。標準的な使用期間は8週間です。
貼り薬の長所
- 貼るだけなので簡便
- 一定の要件を満たすと、健康保険等が適用される。
※公的医療保険のことで、組合管掌健康保険、全国健康保険協会管掌健康保険、船員保険、各種共済組合管掌健康保険、国民健康保険等を指しています。
禁煙外来でかかる費用について
健康保険等で禁煙治療を行った場合の自己負担額(3割負担として)は、約13,000円~20,000円程度といわれています。
私の場合は20,000円よりはもう少し高かったと思います。
1日に吸っていた量は日によってまちまちですが平均すると10本/日でした。
月に5,000円はタバコ代消えていく…。
これから一生タバコを吸うことを考えたら、禁煙外来でかかった費用は安かったと思います。(今から思えばですが…。)
※1:禁煙のみを目的に、診療所又は許可病床数が200床未満、時間外対応加算、明細書発行体制等加算の施設基準に係る届出をしていない医療機関で治療を受けると仮定。再診料には外来管理加算を含むと仮定。
(注)他の疾患の治療にあわせて禁煙治療を受ける場合、初診料および再診料については重複して支払う必要はありません。
※2:院外処方で、禁煙補助薬のみ処方されると仮定。
※3:処方せん受付回数が月4000回超かつ特定の保険医療機関からの集中度が70%超、あるいは処方せん受付回数が月に2500回超かつ特定の保険医療機関からの集中が90%超、以外の保険薬局で調剤を受けると仮定。基準調剤加算1・2、後発医薬品調剤体制加算1・2の施設基準に係る届出をしていない保険薬局。調剤基本料・調剤料のほか、薬剤服用歴管理指導料を含むと仮定。
※4:禁煙補助薬を標準的な用法・用量で使用すると仮定(ニコチンパッチは8週間、ニコチンを含まない飲み薬は12週間)。
※5:上記費用は2014年4月に改定された診療ノ調剤報酬点数に基づいて算出。
(注)2018年度診療報酬改定により、調剤料および薬剤服用歴指導管理料などは点数が改正されています。
日本循環器学会, 日本肺癌学会, 日本癌学会, 日本呼吸器学会 : 禁煙治療のための標準手順書 第6版 : 2014 [L20140807011]より改変
これが、禁煙外来の初診時に実施されることと費用についてです。もし疑問がございましたらコメント欄にご記入ください。
私でお手伝いできることがあったらお答えします。
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