
禁煙を始めるにあたり、まず大切なのは「どうして禁煙をしようか」と思ったかです。この禁煙の決意は、吸いたくなった時やくじけそうになった時に何度も思い出すことによって再喫煙を防いでくれます。
「誰かに言われたから」という動機だと弱いですものね。


そうだね。喫煙には「体の依存」「習慣依存」「心の依存」と三つの依存があるので、禁煙を始めた直後やお酒の席、コーヒーを飲んでくつろいだりしているときなんかに喫煙の欲求が出てくることがある。そうなると、頭の中であれやこれや理由をつけて、自分を正当化して「一本だけ」という気持ちになってしまうことが多いんだよ。
オカザーさんは何度も禁煙にチャレンジして失敗してきた経験があるんですか?


数えきれないよ。最後は、禁煙外来で先生や看護師の方と共同作業でやめることに成功したんだ。その時は、禁煙をする理由をしっかりと紙に書いて毎日目のつくところに置いたり持ち歩いて禁煙への意識を強く持ち続けるようにしたんだ。
禁煙をする理由を書き出す
どうして禁煙をしようと思ったのかを、まず書き出します。中でも特に重要な理由を2つまでに絞って、壁に張ったり、手帳の目立つ部分に記入したりして、心の中にしっかりと刻み付けると禁煙の成功率が高まります。この禁煙動機は、禁煙を始めてしばらくたった後に喫煙欲求が抑えられなくなった時に、すかさず読み返すことで気分転換を図るための一呼吸を置くことにもつながります。
特に、禁煙をしようと思った際に思い描いた、「禁煙をしたら得られるメリット」や「感情」も書いておくと成功率が高まります。
禁煙理由が自分のためでない場合
禁煙する理由が「自分のため」になっていないと、喫煙欲求が出てきた際にそれを抑え込む理性が弱くなってしまいます。特に日本人の場合、「他人に良いことをしましょう」「周囲との協調性を持ちましょう」と教育されているために、自分を中心に物事を考えられなくなっているような気がします。禁煙した理由が、例えば「子供が生まれたから」ということであったとしても、「生まれてくる子供のために自分がしてあげたいから」という決意に変換をしておかないと、ニコチン切れの発作が起きた際に、深く深呼吸をしたり水を飲んでやり過ごすことができなくなってしまいます。
私の場合も失敗した時はいつもそうでした。「家族からやめたほうが良いと勧められたから」「友達がやめたと聞いたから」などといった軽い気持ちからの禁煙は 3日と持たずに挫折してしまいましたし、「会社で禁煙を推奨されボーナス査定に響くから」といった場合でも数週間であきらめてしまいました。
禁煙を始めて、ニコチン切れを起こしてたら頭の中はタバコに支配されてしまいます。
どんなに頑張っても他人のためや強制などでは自己制御ができなくなってしまいます。
ぜひ「自分のための禁煙」に置き換える作業をしてみてください。
禁煙を始める準備として
禁煙を始める準備としていくつかしておく必要があると考えています。私は禁煙外来に行くことを強くお勧めしていますが、そのわけは、誰かに禁煙のつらさをわかってもらいながら禁煙習慣を手に入れることができると考えているからです。
事実私の場合もそうでした。「読むだけで絶対やめられる 禁煙セラピー」(アレンカー著 阪本章子訳 KKロングセラーズ)という有名な書籍をご存知でしょうか?この本を読んだだけで本当にやめられたという人を何人も知っています。が、私の場合はダメでした。本の内容を本当の意味で信用していなかったのです。仕事の後の一服。特に頭脳労働をした後の一服を何よりも楽しみにしてきました。こうした「習慣依存」の人は「禁煙セラピー」を読んだだけではだめです。
ニコチンガムやニコチンパッチ、禁煙外来で処方されるニコチンを含まない薬(バレニクリン酸酒石酸塩:私の場合チャンピックスでした)を併用して、お医者さんと看護師の方と一緒になって禁煙に励んでいただきたいと思います。
その準備として禁煙外来でも渡されないオリジナルのシートをご用意しました。
今、禁煙を決意・もしくは決意までには至っていない方にも参考になるこのシートは禁煙に対する自分の考え方を自身の手で文章化し、あいまいになっている思考を明確化することを目的としています。
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